第29話

「つばめの~しゅん太~さん、おもい~だした~ようです~なぁ~。あの~とき~、とても~たいへんそう~でした~ねぇ~。」

つばめのしゅん太さんのお家は、代々続くしょうゆ屋の老舗でした。つばめのしゅん太さんは、ちょうど三代目となります。先々代からこつこつとまじめにしょうゆ作りをしていたつばめ一家でしたが、つばめのしゅん太さんに代わってからというもの、売り上げが少しずつ減り始め、さらに、きつねのつね次郎さんが新たに開発したとされる、今回のしょうゆが販売されると、たちまちお客さんがそっちに流れてしまいました。古くからの付き合いのある取引先も、つね次郎さんのしょうゆの人気に押され、大打撃をくらっていました。ひとりひとり、ともにしょうゆ作りをしていた仲間も減っていき、先代からのレシピ通りに作っていたはずのつばめ一家の、さらには自分の作ったしょうゆに価値があるのか、当時、とても悩んでいたのです。そこで、困っていた矢先に、オランウータンのクレバ博士の研究所のうわさを聞き、当時の自分のしょうゆを調べてもらったのでした。

第29話

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