2つ目の峠を越えると、奥のほうの森林から煙が立ち上っているのが見えました。
「あれがオランウータンのクレバ博士の研究所だな。もう一飛びだ。」
つばめのしゅん太さんは、長距離の飛行でやや息が上がっていたものの、煙が見えたことで、再び力強く羽ばたきました。そうして、次第に、煙がだんだんと近づいてくるとともに、クレバ博士の研究所の煙突も見えてきました。
「もう少しだ。はぁはぁ…」
息が上がりつつも、なんとか、クレバ博士の研究所の前に到着しました。
ドンドンドン(戸を叩く音)
「は~ぁ~い~ぃ。」
戸の奥からゆっくりとした返事が聞こえました。それは、間違いなくオランウータンのクレバ博士の声でした。